民間団体による被災地の所有者不明動物の保護ガイドライン

はじめに

所有者不明の被災動物の保護に於いて、愛護団体が適切な手続きなく他県へ搬出する事により、迷子動物が飼い主のもとへ戻れなくなる状況が危惧されています。一方で、所有者不明の動物は、推奨される取り扱い方法が、地域、公的機関、担当者によって異なるなど保護活動に混乱が生じる事案も確認されています。

この課題に対処するため、私たちは民間団体における所有者不明動物の保護に関するガイドラインを策定し、保護された動物の情報を集約する検索可能なデータベースを開発しました。

今後、被災地などで活動する愛護団体は、このガイドラインに準拠した保護活動を行い、保護記録のデータベース登録を遵守することで、動物と飼い主との再会を促進し、トラブルを未然に防ぐ努力を行うものとします。

さらに、データベースに記録された情報は定期的に行政に一括提出され、被災動物の管理状況の把握と追跡を容易にします。これらの取り組みは、被災動物保護活動の効率化及び標準化を図るだけでなく、被災地域の動物福祉向上及び被災地域住民の方々の不安解消に資するものであります。

尚、本データベースは民間保護活動の透明性と法令遵守を促進することを目的とし、所有権放棄された動物や一時預かり動物の情報も含め、災害地域に限らず全国での活用を目指すものとします。

賛同民間動物愛護団体一同

作成協力:
一般社団法人ネコリパブリック
特定非営利活動法人 日本レスキュー協会
ペットのおうち®︎
株式会社 Easy Communications
特定非営利活動法人日本動物保護取扱環境支援機構

行動規範

★ 飼い主の捜索を行う
★ 被災地動物捜索データベース登録について
  • 保護した動物は必ず被災地動物捜索データベースに登録を行う
    データベースをもとに週次で行政に提出するため、行政への個別連絡は不要。
  • 保護者変更・譲渡などの際動物の居場所情報は常に最新の状態に更新すること。
★ 飼い主判明時の医療費に関するルール
  • 飼い主が判明した場合、該当動物にかかった医療費の請求は飼い主には基本的に行わない。
★ 飼い主の現れた場合の返還手続き
  • 対象動物を管理している団体が窓口となり、迅速な返還を実施し、すみやかに所有権返還手続きを遂行する。
  • 飼い主の確認は、身分証明書(運転免許証、保険証、罹災証明)、獣医療記録または、過去の写真、近所や親戚など第三者の証言などで飼い主確認を行う。
  • 返還後はデータベースを更新する
  • 所有権返還誓約書の作成、保管
  • 医療処置などの詳細を記載し、動物カルテや証明書の原本を飼い主に提供(コピーは団体で保管)
★ 譲渡手続き
  • 自然災害という特殊な事情で保護した動物である旨を里親に説明し、万が一飼い主が現れる可能性があり返還請求が行われたら速やかに返還を行うことを了承してもらい譲渡を行う
  • 所有者不明動物譲渡誓約書にて譲渡を行う(譲渡契約書には、飼い主が現れる可能性や返還手続きに同意する内容を含む。)
    譲渡手続き完了後に被災動物のデータベースを更新する。
★ 譲渡後の飼い主が現れた場合
  • 譲渡後、遺失物の回復期限とされる遺失からの2年間において、対象動物の飼い主が現れ返還希望があった場合、譲渡を行った団体が窓口となり、飼い主と里親の間に入り連絡を行い、迅速な返還手続きを実施する。なお、遺失物の回復期限を超えた返還については、当事者同士による協議の上これを決定するものとする
  • 里親と飼い主との間に入って保護動物所有権回復証明書を交わす。
  • 手続き完了後にデータベースを更新する。
★ 返還に係る費用負担について
  • 法令では遺失物の返還にかかる費用について、保護者は遺失者に対し保護費用を含めて請求できるものとされているが、本ガイドラインでは被災者の救済を優先し、以下の条件を満たす場合、返還に係る費用負担については、返還請求が行われた時点で当該の動物をデータベース上に保護していると記録されている保護団体が負担するものとする。
    • 県外移送や保護継承された時点で、飼い主が保健所や警察などへ遺失届け(あるいはそれに準じた届出)を提出済みあるいは、特定非営利活動法人日本動物保護取扱環境支援機構の迷子データベース登録済み(公開済みであること)の場合、または、これらの届出が困難なやむを得ない事情があったと判断できる場合
    • 保護動物データベース登録から3ヶ月以内の返還依頼である場合
★ 返還に係る保護団体の費用負担支援について
  • 前項に定められた要件に基づき、保護団体が返還に係る費用を負担する場合で以下の条件を満たす場合、特定非営利活動法人 日本動物保護取扱環境支援機構より実費を上限に最大5万円を保護団体に支援します。2024年6月末までの返還請求。上限予算300万円まで。
    • 保護動物データベース登録から7日間以上の飼い主探し期間を経て保護継承がされている場合
    • 保護動物データベースにて本ガイドラインに準拠して保護継承手続きが行われている場合

保護動物データベース

https://www.sap.or.jp/protection/
運営:特定非営利活動法人日本動物保護取扱環境支援機構

関連書式(推奨様式)

賛同団体一覧

一般社団法人ネコリパブリック/特定非営利活動法人日本動物保護取扱環境支援機構/ペットのおうち/株式会社 Easy Communications/べるねこ/NPO法人わんハート尊い命達と共に/守谷市動物愛護協議会/まあるじゃあらヨガスタジオ アニマル部/保護猫保育園の会/北海道インコ情報広場/ソラネコ/NPO法人猫の味方ネットワーク/ななのいえ/ねこハウス310/一般社団法人アニマルズライフセーブス/一般社団法人はーとinはーとZR/ねこ窓ハウス/猫の惑星にゃーくる/一般社団法人わんドライブ/動物と共生するまちづくりの会/ねこととりと。/一般社団法人ラフィンの家/狭山アニマルサポートアンジュ/メロディー隊長と仲間たち/富岡さくら会/動物保護団体わんらぶ/GO!保護犬GO/アニマルホープ/ねこ結び/NPO法人キャットセイビア/岩手県動物愛護団体 アニマル・ファースト/にゃんころ隊/10LivesMihamaNeko/フワフワしっぽの会/幸せの橋を作るママ/アニーズ~わんにゃんの森~/ネコノミライ/ねこネコ市/NPO法人Human Animal Pairs/福井犬猫を救う会/k.a.k.o.t/保護犬猫情報発進センターラフスペース/きゃわわんとはるるな仲間たち/さくら_ひだまり/はちれく保護犬の家/てくてくwankoシェルター/和田町ねこ倶楽部/わんにゃんヘルプNyaO/babycat nanny/yasasiite/一般社団法人Share Life/牛小屋の会/特定非営利活動法人 日本レスキュー協会/しっぽゆらゆら杜猫会/キャットビレッジ/NPO法人ピース・アニマルズ・ホーム/ボーダーコリーレスキューネットワーク/徳島アニマルオアシス/まもるんキャット/保護猫カフェ猫待ち/つかねこ動物愛護環境福祉事業部/Hasaki WanNyan Rescue/のらねこ墨田/奈良アニマルレスキューリアン/Life〜Kushiro/DCレスキューアンジー/NPO法人群馬わんにゃんネットワーク/一般社団法人伝統文化芸術協会/保護猫カフェAelu(アエル)/幕張ねこの譲渡会/猫の未来とびら/特定非営利活動法人Life for cats in NARA/ドッグレスキュー魂/モフモフねこ譲渡会名古屋/わせだつるまき猫の家/ニャコタンズ/鍵尻尾/広島動物ネットワーク/猫の道草/アイドッグ・レスキュー隊/老猫ホーム&猫ホテル「うめねこ」/シェアライフ/はっちのおうち/Schnauzer・Dog Rescue Network/吉祥寺にゃんルーム/かわねこTNR部/ねこしあぎふ/the ferret rescue/アニマルボイスなんぶ/ツメトギ工房MINT&JAS/アニマルシェルターEnn/福ねこハウス/NPO法人福井犬猫を救う会/ネッコワーク/各務原飼い主探し隊/NPO法人保護団体d&human/にゃんness/認定NPO法人 こねこサポーター/猫の里親をさがす会/usagihatomodachi/Fair Support Team forわんDog/NPO法人フリースクールゆきレオ&保護猫施設 ゆきレオ保育園/特定非営利活動法人しあわせにゃん家/kokubo/D*C Life ひめ/ティアハイムへの道 十猫十色/一般社団法人わんずふりー/保護猫カフェ ふにゃり/もよまま/ねころび/保護犬・猫のおうち Lima o mama/ワンニャンプロジェクト/動物愛護『天使の翼』